WordPressは、世界で最も多く使われているCMS(コンテンツ管理システム)です。
無料で高機能なテーマやプラグインが豊富にあり、初心者でも比較的簡単にサイトを構築できます。
しかし便利な反面、「エラー」や「不具合」が発生することも少なくありません。
突然「画面が真っ白」「データベース接続エラー」「プラグインの更新でサイトが壊れた」など、焦ってしまうトラブルが起こるのがWordPressの“あるある”です。
本記事では、Web制作者の実体験も交えながら、WordPressでよくあるエラーの原因と解決方法を初心者向けにわかりやすく解説します。
特に「焦らず、確実に復旧できるようになる」ためのポイントを整理しました。
1. WordPressでよくある代表的なエラー
まずは、WordPressで発生しやすいエラーの種類を整理しておきましょう。
多くのトラブルは、以下のパターンのどれかに当てはまります。
(1)画面が真っ白になる(ホワイトスクリーン)
最も多いトラブルの一つ。PHPコードの記述ミスや、テーマ・プラグインの競合が主な原因です。
functions.phpなどのテーマファイルを編集後に発生するケースが多く、「何も表示されない」「管理画面も開けない」などの状況になります。
主な原因
- PHP構文エラー(カンマ抜け・カッコの閉じ忘れ)
- 不正なプラグインの導入や競合
- メモリ不足(wp-config.phpの設定で上限を上げて解消することも)
(2)データベース接続エラー
「Error establishing a database connection」と表示される場合、WordPressがデータベースに接続できていません。
サーバー側の設定や、wp-config.phpの接続情報が間違っていることが多いです。
主な原因
- DBユーザー名やパスワードの間違い
- サーバー側の一時的なダウン
- wp-config.phpファイルの記述ミス
(3)500エラー(Internal Server Error)
「サーバー内部エラー」という意味ですが、実際にはWordPress側の設定やプラグインの問題が多いです。
主な原因
- .htaccessの設定ミス
- プラグインの不具合や競合
- サーバーのPHPバージョンとテーマが合っていない
(4)ログインできない
管理画面にアクセスできなくなるトラブルもよくあります。
主な原因
- プラグインがログイン動作を阻害している
- セキュリティ系プラグインが誤検知してロックアウト
- Cookieやキャッシュが残っている
(5)プラグイン更新後のエラー表示
プラグインを更新した直後に、画面に「Warning」や「Fatal error」などの英語のエラー文が表示されるケースもあります。
多くの場合、バージョンの非互換や関数の呼び出しエラーが原因です。
2. 実体験から学ぶ3つのトラブル事例と解決方法
ここからは、実際に経験した3つのトラブルを紹介します。
どれも初心者がつまずきやすい実例であり、対応方法を知っておくと今後の安心につながります。
① プラグイン更新でエラー文が表示された
プラグインを更新した直後、サイト上部に英語の警告文(WarningやNotice)が表示された経験があります。
原因は、更新したプラグインがテーマのfunctions.php内で使われている古い関数と競合していたためでした。
解決方法
- FTPでサーバーにアクセスし、プラグインフォルダ名を変更して一時的に無効化
- サイトが復旧するか確認
- プラグインを再度インストールするか、代替プラグインに変更
ポイント
プラグインの更新は「1つずつ行い、動作確認をする」が鉄則です。
複数をまとめて更新すると、どれが原因かわからなくなることがあります。
② データベース接続エラーの発生
ある日、サイトにアクセスすると「データベース接続エラー」とだけ表示され、管理画面にも入れませんでした。
原因は単純で、wp-config.php内の「DB_USER」や「DB_PASSWORD」の記述が間違っていたことでした。
解決方法
- エックスサーバーの管理画面からデータベースユーザー名・パスワードを確認
- wp-config.phpの該当箇所を修正
- ブラウザをリロードして動作確認
教訓
ファイル編集時は、**「一文字の打ち間違いがサイト全体のエラーにつながる」**ということを常に意識すること。
③ テーマファイルの記述ミスで画面が真っ白に
ネット上の古い記事を参考にしてfunctions.phpにコードを追加した際、サイト全体が真っ白になったことがありました。
原因は、記載していたコードが古いPHPバージョン向けで、現在のWordPress(PHP8.x)には対応していなかったため。
解決方法
- FTP経由でテーマフォルダ内のfunctions.phpを修正
- 最新のコードリファレンスを参照して正しい構文に修正
- バックアップをとってから再アップロード
教訓
古いブログ記事のコードをそのままコピペするのは危険。
特に「数年前に書かれた記事」は、PHPの仕様変更に対応していないケースが多いです。
公式ドキュメントや信頼できる情報源を確認しましょう。
3. エックスサーバーでの復旧・リカバリー手順
WordPressでトラブルが起きたとき、サーバー側からの復旧ができると安心です。
エックスサーバーは初心者でも扱いやすく、復旧手段が整っています。
主な対処法
- 自動バックアップ機能
エックスサーバーでは自動的に過去7〜14日分のデータが保存されているため、誤操作後でも復旧可能。 - FTPアクセスでの手動修正
画面が真っ白になっても、FTPからfunctions.phpなどのファイルを修正できます。 - phpMyAdminからデータ確認
データベース接続エラーの場合、phpMyAdminで接続情報を確認できます。 - テスト環境の活用
作業前にサブディレクトリにテスト用WordPressを構築しておけば、安心してカスタマイズ可能です。
4. トラブルを防ぐための予防策
WordPressのエラーは完全に防ぐことは難しいですが、事前に備えることで被害を最小限にできます。
- 定期的にバックアップを取る
- プラグイン更新は1つずつ行う
- functions.phpを編集する前に必ずバックアップ
- コードは信頼できる情報源からコピーする
- テスト環境で試してから本番反映
これだけでもトラブル率は大幅に下がります。
5. まとめ:WordPressのトラブルは「落ち着いて」「準備して」乗り越えよう
WordPressでトラブルが起きたとき、一番大切なのは**「焦らないこと」**です。
真っ白な画面を見ても、「必ず直せる」と落ち着いて行動すれば大丈夫。
今回紹介したように、原因は大抵「プラグイン競合」「設定ミス」「記述ミス」のいずれかです。
そして、エックスサーバーのようにバックアップと管理機能が整った環境を選べば、初心者でも安心して運用できます。
WordPressは失敗しながら覚えるツールです。
焦らず、冷静に、一つずつ確認しながら成長していきましょう。


