Webサイトを作りたいと思ったとき、最初につまずきやすいのが「どの方法で作るのが正解なの?」という点です。今はノーコードツールがかなり進化していて、数年前よりもはるかに簡単にサイトを作れるようになりました。一方で、WordPressは依然として人気が高く、SEOやブログ運用には欠かせない存在です。
15年以上Web制作に携わってきた立場からお伝えすると、初心者が最初の一歩としてノーコードを選ぶのはとても良い判断です。ですが、長い目で見たとき「しっかり育てられるサイト」を作るなら、最終的にはWordPressが強いです。
この記事では、初心者でも理解しやすいように、ノーコードとWordPressの違い、向いている人、注意点、選び方の基準をわかりやすく解説します。あなたの目的に合った“ちょうどいい作り方”を一緒に見つけていきましょう。
ノーコードとは?初心者がまず検討すべき理由
ノーコードとは、プログラミングをしなくても、パーツをドラッグしたり文字を入力するだけでサイトが作れるツールのことです。代表的なものには、Studio、Wix、Jimdo などがあります。
特に Studio は数年前と比べて劇的に進化し、デザインの表現力と操作性のバランスがとても良くなりました。Web制作の現場でも、簡易サイトやランディングページで使われることが増えているほどです。
初心者にとってノーコードが良い理由はいくつかあります。
操作が直感的でわかりやすい
WordやPowerPointのような感覚で編集できるため、「サイト作りって難しそう」という不安が消えやすいです。
公開までのスピードが早い
最短で数時間あれば1ページサイト程度は作れてしまうので、スモールスタートに向いています。
初期費用が安い
多くのノーコードツールは月額料金だけで運用でき、サーバーやドメイン設定の知識が不要です。
デザインが整いやすい
テンプレートが優秀で、初心者でも「それっぽい」見た目に仕上がります。
とりあえず名刺代わりのサイトがほしい、急ぎで1ページほしい、とにかく形にしたい、という人にはぴったりです。
ノーコードの弱点:伸ばしたい人ほど物足りなくなる
ノーコードは確かに便利ですが、万能ではありません。使っていくうちに「ここ、もっと自由にしたいのに」と感じる瞬間が出てきます。
特に多いのは次のような場面です。
細かいデザイン調整がしづらい
テンプレートの制約があるため、「この位置を少しだけ下げたい」「ここの余白を微調整したい」といった要望に対応できないことがあります。
SEOで不利になることがある
ツールによっては構造が重くなりやすく、ブログ運用や本格的なSEOには向かないケースも。
拡張性に限界がある
予約システム、会員機能、EC機能…と機能を増やしたくなったとき、ノーコードだと対応が難しい場合があります。
ツール依存になる
そのサービスが停止すればサイトも停止しますし、データ移行も自由ではありません。
サイトを“育てる”ことを考えるほど、自由度の低さが気になり始めます。
これが、初心者が最終的に WordPress を選ぶ理由のひとつです。
WordPressとは?長期的に見て最もコスパの良い選択
WordPressは世界で最も使われているサイト構築ツールです。国内の中小企業、個人事業主、ブログ運営者、ほぼあらゆる人が利用しています。
WordPressが人気であり続ける理由は、以下の「自由さ」にあります。
デザインも機能も、とにかく自由に作れる
テーマ(テンプレート)を選べば、初心者でも十分にきれいなサイトが作れます。必要に応じてプラグインを入れれば機能が無限に増えます。
ブログ・SEOに強い
検索上位を狙いたい、ブログで集客したい、広告収益で稼ぎたい。これらの目的を持つならWordPressが圧倒的に有利です。
資産になる
ドメインを育てていけば、検索流入が増えて広告収益や問い合わせが増える、いわゆる「資産的コンテンツ」になります。
移行やバックアップが自由
サーバー移転、サイト引っ越し、バックアップなどが自分のタイミングでできます。
ノーコードと比べると設定項目が多く、最初は「ちょっとむずかしいかも」と感じるかもしれませんが、慣れれば日常的に触れるのは投稿画面だけです。
WordPressのデメリットと、その対策
WordPressにも弱点はあります。ただし、初心者でも十分にカバーできます。
初期設定でつまずきやすい
サーバー、ドメイン、SSL設定など、専門用語が多いのは事実。
ただし、エックスサーバーを使えばボタン数回で自動インストールできます。
プラグインを入れすぎると動作が重くなる
初心者は機能を盛りすぎがちですが、定番の必要なものだけを厳選すれば問題ありません。
セキュリティ対策が必要
ただし、セキュリティ系プラグインを入れるだけでもかなり補えます。
バックアップは必須
こちらもバックアップ系プラグインで自動化できます。
WordPressは「弱点がある」というより、仕組みを理解すれば「弱点を自分でコントロールできる」ツールといえます。
初心者が悩みやすいポイント:結局どっちがいいの?
結論からいうと、「まず何をしたいか」で答えは変わります。
- まず形にしたい → ノーコード
- 長期的に育てたい → WordPress
この2つを基準にすると判断がとても簡単になります。
また、実際のWeb制作の現場でも、“名刺代わりのサイトはノーコードで作り、事業が伸びてきたタイミングでWordPressに乗り換える”ケースが増えています。
サイトはずっと同じ形ではなく、“育てるもの”です。だからこそ、将来の成長を見据えて選ぶのが大切です。
Web制作者の視点:ノーコード → WordPress が最も失敗しないルート
プロとして制作してきた経験から言うと、初心者にとって一番失敗しにくい流れは以下です。
最初:ノーコードで最小限のサイトを作る
まずは公開して、事業紹介・サービス案内・問い合わせだけでも十分。
運用:数ヶ月使ってみて、足りない部分が見えてくる
- ・ブログで集客したい
- ・SEOを強化したい
- ・デザインをもっと自由にしたい
- ・予約機能や会員機能を追加したい
- こうした欲求が必ず出てきます。
最終:WordPressへ乗り換える → 事業の“資産”になる
ここが一番大きいポイントです。
WordPressに移行すると…
- 集客効率が上がる
- SEOで狙ったキーワードを取れる
- アクセス解析がしやすい
- デザインの自由度が跳ね上がる
と、サイトが事業の土台になります。
初心者におすすめの環境:WordPress × エックスサーバーが鉄板
WordPressを使うとき、サーバー選びはとても重要です。
初心者におすすめできるのは、エックスサーバー一択と言っていいほどです。
エックスサーバーが良い理由は以下。
- WordPressの自動インストールが簡単
- 国内最速クラスで表示速度が安定
- バックアップ機能が標準搭載
- 管理画面が初心者でも扱いやすい
- 料金が良心的
- WordPressとの相性が抜群
これらは文章だけでは伝わりにくいですが、実際に複数のサーバーを使い比べてきた経験から、初心者へのやさしさはエックスサーバーが頭一つ抜けています。
将来的に「SEO」「ブログ運用」「サイトの育成」を本気で考えるなら、WordPress × エックスサーバーの組み合わせは非常に強いです。
ノーコードとWordPressの比較まとめ
最後に、迷ったときに使える比較表としてまとめておきます。
| 項目 | ノーコード | WordPress |
|---|---|---|
| 作成スピード | とても早い。数時間で公開できることもある。 | 初期設定に少し時間がかかる。 |
| 操作のわかりやすさ | 直感的で簡単。専門知識がほぼ不要。 | 慣れれば簡単だが、最初は専門用語が多め。 |
| デザイン自由度 | テンプレート中心で制約がある。 | デザインの自由度が高く、細かい調整が可能。 |
| SEOとの相性 | ツールによっては弱い場合がある。 | 構造が最適化されておりSEOに強い。 |
| ブログ運用 | 大量記事の運用には不向きなことが多い。 | 大規模なブログ運用に向いている。 |
| 拡張性 | 予約・会員機能など追加が難しい場合がある。 | プラグインで自由に機能追加できる。 |
| サービス依存度 | 高い。ツールが終了すると影響が大きい。 | サーバーを変えるなど自分でコントロールできる。 |
| 費用 | 月額課金型で手軽に導入できる。 | サーバー代が必要(エックスサーバーが扱いやすい)。 |
| 向いている人 | とにかく早く形にしたい人。技術ゼロで作りたい人。 | SEO・ブログ・集客を伸ばしたい人。資産サイトを作りたい人。 |
あなたが“どこまで育てたいか”で選ぶのが最も後悔しない方法です。
結論:初心者はノーコードから始め、成長を見据えてWordPressへ
最初の一歩としてノーコードは間違いなく優秀です。難しい作業がなく、すぐにサイトを公開できるため、心理的なハードルも低くなります。
ただし、サイトを長期的に運用する、ブログで集客する、SEOで検索上位を狙う、という目的があるなら、最終的にはWordPressが最適です。
WordPressは慣れてしまえば操作は難しくありませんし、自由度の高さはノーコードとは比になりません。事業の成長や情報発信の幅を広げてくれるツールです。
あなたが「どんな未来を目指したいか」。
その答えによって、最適な制作方法は変わります。
もし迷っているなら、まずはノーコードで形を作り、成長に合わせてWordPressへステップアップする。
このルートが、初心者にとって最も自然で、最も失敗しにくい方法です。

